好きを伝えたい

バイクが好きだった

私のキャリアは『RIDERS CLUB』というバイク雑誌の編集者から始まりました。

バイクが好きだったので、バイクに乗る楽しみについて、他の人に伝えたかったのです。7年ほど在籍していましたが、望み通り、世界中のバイクに乗り、草レースに出て、楽しい日々を送りました。BMWの試乗会でミュンヘンからアルプスにかけてを走ったり、カサワキの試乗会でポールリカールを走ったり、ハーレーに乗ってルート66を走ったりしました。

実はこの写真は、後にflick!編集長だった頃にバイク雑誌の人手が足りずにアメリカに行った時のもの。2015年。

この本では、編集者としての基礎。写真や文章の扱い。心構え。締切の厳しさ……などいろいろなことを学びました。常に命のリスクのある、シビアな仕事でもありました。

入ったのは株式会社ライダースクラブでしたが、その会社は株式会社枻出版社として次第に大きくなり、いろいろな雑誌が作られるようになりました。

ラジコン飛行機雑誌『RC AIR WORLD』へ

私は、ラジコン飛行機の本『RC AIR WORLD』の編集部に転属になりました。バイク雑誌を外されたことに関して、最初はとても憤りましたが、アタマを切り替えてメディアを作ることにフォーカスしました。ここで初めて『編集者』としてのモノづくりに目覚めたような気がします。

フランスで買ってきた翼長3.6mのグラスフリューゲルCZ304というグライダーのスケールモデルです。山の上から投げて、斜面上昇風に乗せて飛ばします。

『RC AIR WORLD』は10年ほど作っていました。いろいろあって、途中で編集長になりました。たしか、2000年頃だったと思うので、編集長歴は20年ぐらいということなります。

そういう意味では、雑誌の責任者として、いろいろなことを経験したのもRC AIR WORLDででした。

『コーラルフィッシュ』創刊

RCエアワールドは自分では84号ぐらいまで作ったのですが、当時は事業を成長させねばならず、いろいろ新たなチャレンジが推奨されました。ニモをキッカケに海水魚の飼育にハマった私は『はじめて海水魚を飼う時によむ本』という本を作りました。この本が非常に売れた(たしか5刷、5万部ぐらい行ったと思います)のをキッカケに『コーラルフィッシュ』という海水魚とサンゴの飼育雑誌を作りました。

自宅の水槽です。10年ぐらい運用していました。90×60×45cmのアクリル重合水槽で、ろ過層を入れると300リットルぐらいの水量があります。この時期は状態としては一番レベルが高くて、プロテインスキマーやカルシウムリアクターを使って、ミドリイシというサンゴの飼育に熱中していました。お金とヒマがあればまたやりたい趣味です。

この本は34号まで作ったのですが、東日本大震災の時で多くの人の水槽が被害に遭い、一時的に水槽飼育熱が下がり、熱帯魚ショップの広告出稿が激減したので、辞めざるを得ませんでした。サンゴ飼育のためのナチュラルシステム、ベルリンシステムという方法論の普及に熱中していたのですが、それが一段落して新たなテーマが減った……というのもひとつの理由でした。

コーラルフィッシュでは、新たな雑誌を創刊し、業界に食い込んで、お付き合いを広げていく……という経験をしたと思います。

『flick!』創刊

ちょうどその1年ほど前、iPadの発売をキッカケにflick!という雑誌を創刊しました。

2008年のiPhone 3G発売の時は会社をサボって表参道の行列に並んでいたのですが、翌年もその翌年もその熱は冷めやらず、2010年のiPad発売時には、日本発売を待ち切れず、知人の知人に頼んで、アメリカから取り寄せたほどでした。

iPhoneもiPadも非常に革新的なデバイスで、こういうデバイスに関する本を作りたいと思って創刊したのがflick!でした。当時、iPadやKindleの登場で『雑誌や書籍の電子化』というのが非常に話題になっていました。それが会社の許可が出た理由でもありました。

最初の頃はアップルに発表会の取材を申し込んでも『お席がいっぱいで……』と断られたことを思い出します。それでも執拗にiPhoneやiPad、Macを扱い続けて、ある時から国内の発表会には呼んでいただけるようになり、2017年からはUS本国の発表会にも行けるようになりました。iPhone、iPad、Macの発表会やWWDCの取材で、シリコンバレー、ニューヨーク、シカゴなどに行きました。

iPhone Xの発表会が行われた2017年9月。初めて公開されたApple ParkのSteve Jobs Theaterの前で。

ガジェット、ウェブサービスなどテクノロジー全般について取材をして、数多くの記事を書きました。

そして、Double Tapスタート

そして、2022年4月末。より幅広いお仕事をしたいと思い、約30年間勤めた枻出版社グループを退職。執筆活動、編集活動を続けるための会社として株式会社Double Tapを作りました。

以降、株式会社ヘリテージでDig-itを場所をいただき創刊したウェブメディアThunderVoltをはじめ、数多くの場所で原稿を執筆執筆したり、制作活動をお手伝いしたり、お話をさせていただたりしています。







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